お得意様の野原さん(仮名)。

入院生活を終え、退院の運びに。
退院したと思ったら、すぐにサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)へ。
野原さんのご長女、明日香さん(仮名)「でんきやさん、自宅にあるテレビとオーディオを健やかステイ(仮施設名)まで運んでいただけますでしょうか?」

野原さんは大のお得意様です。
野原さんは自然を愛し、カメラや音楽が好きで、特に音楽談義は、仕事後、よくお話をうかがっています。
リビングのオーディオ、フォトフレーム、寝室の小型テレビ、スピーカーをチョイスして、健やかステイまで運搬し、接続しました。

ご長女の明日香さん「全部を持って行くわけにはいかないので、この中でなにを持ってく?って父に聞いたんですけど、『お前じゃわからん、〇〇さんに…』って。」
〇〇とは、まちのでんきやである…(汗)。
そこは長年の勘と、野原さんのご意向をイメージして、これと思うオーディオセットを選び…。

↑このスピーカー、低温が心地よく、とってもいいんです。
最近の特に小型液晶テレビは、音が軽く、高齢者には聴き取りにくいかもしれません。
が、このスピーカーなら、人の声も音楽もしみじみと。

まちのでんきや「では、このフォトフレームと寝室のDVDプレーヤーとコンポを持って行ってみて、もし後でまた注文があれば…。」
明日香さん「スミマセンねぇ。」
まちのでんきや「いえいえ、何度でも足を運びますから。」

まちのでんきや「地デジ良し、BS良し、フォトフレーム、DVDも良し…。」
明日香さん「なんか、入所したばかりで、自分の家みたいに…。」

まちのでんきや「モード2を選択すると、ひとりでに画像がテレビに切り替わりますから。」
野原さんが好きな自然の風景を納めたフォトフレームです。

夜になって、また健やかステイに出向き、野原さんご本人のご意向をうかがうことに。
野原さん、体調が芳しくないからか、なかなか言葉が出てきません。
なにか言っておられるようですが…。

言葉には出しませんでしたが、明日香さんは恐らく、「ホントはオーディオどころじゃないんですけど、とにかくでんきやさんがきてさえくれれば…。」
そう察して、できる限りのセッティングをさせていただきました。

同じ日、急激に暑さを増し、心労で体力を消耗されたのか、身の回りのあれこれ世話をされていた、今度はお母様が体調を崩されました。
野原さんと入れ替わるように、入院を。
明日香さん、大変だったことでしょう。

誰にも訪れる親の老い。
そしてこのパターンのミッション。
ミッションの指令も行間から察することができる存在、それがまちのでんきやでしょうか(手前味噌にて)。